
束縛
「父ちゃん、誰かに殺されたんだと思う」~まさか恋愛対象が○○!?~
記憶と妄想が交錯する恋愛ミステリー
結婚十年目の夫婦関係は冷え切っていた。 それでも2人が関係を維持する理由とは。 弟からの電話であやめは過去を遡っていく。 最後の一言で解放される…!
「自分の存在意義」
コロナ禍において全国に緊急事態宣言が出された頃のことです。多くの人々の生活は一変し、わたしも例外ではありませんでした。
職場では仕事が急激に減り、数ヶ月間は職場に行っても何もする事がないなんて日が続きました。
その時にわたしが考えたのが「自分の存在意義」についてです。
自分は何のために存在しているのか?
仕事をバリバリやっていた頃は、仕事での達成感や、 もらった給料を家族に還元することでその存在意義を感じていたように思います。
しかし、仕事が無くなると不思議な感覚になりました。
給料はもらえているが、大してやることのない職場に来て一体おれは何をしているんだろう?
おれの存在意義はここまで簡単に揺らぐものだったのかと、そう思いました。
この作品の中でわたしが強く惹かれるのは、二人の人物でした。
自身の揺らぎようのない存在意義(価値)を、 はじめからしっかりと見出しているように思えたからです。
それは確かに愛とも束縛とも取れるものだったでしょうが、 当の二人はどちらでも良いと思っているかもしれません。
作中で言うところの遠い国の果実を見つけた二人なのですから。
この作品はわたしにとって唯一無二の存在意義を、再確認させてもらえる内容でした。
今わたしが感じているこの気持ちが、 あやめが最後に感じた気持ちと似たものだったらうれしいなと思っています。
読んでいてとても楽しかったし面白かったです。
あと、コメントを読みながら読書するのはnote独特の楽しみでした。
ありがとうございました。
January 26, 2022 (令和4年1月26日)
ぢぇぃ