創作活動、打ち明ける?



お正月に実家へ帰り、打ち明けた人も多いかもしれません。
なにをってそれは…もちろん創作活動を。

文章を書いている、音楽をやっている、絵を描いている、等々。

創作の中で言うと私は「絵を描いて文章を書いている」のですが、 絵に関してはもう子どもの頃からのことなので打ち明けるも何もありませんでした。

初めてデザインの仕事に就いた時もまだ18歳でしたので、 「描く」を仕事にしたことですら打ち明けるもなんもなく、 なんなら採用の電話は母が取りました。

一番最初の職業はもう20年以上前、ゲーム制作会社のCGデザイナーでした。 若い人は信じられないかもしれませんが、 当時は「データ」が仕事として成り立っていることが理解できないという人も多い時代でした。

私の職業がCGデザイナー、イラストレーター、WEBデザイナーと変わっていっても、 両親にとっては結局「うちの子、なんか絵を描いてお金もらってる」というだけの認識だったと思います。

どんなに絵を描いても、それがデータである限りイマイチ伝わらない。 うちの父と母はゲーマーなのですが、それでもなんだか伝わらないんですよ。

つまり何が言いたいかと申しますと、両親に「小説を書いている」と打ち明けるのはすごくすごく面倒くさいのです。

だって、kindle出版は電子書籍なので。
電子書籍は「データ」ですから。

なので私は、小説を書いていることを言っていませんでした。 ペーパーバックでも出版するようになって、見せることはできるようになりましたがやっぱり見せませんでした。

だって、amazonでしか買えないから。
これを説明するのがまた、とてつもなく面倒くさくて。

ところがこのお正月に実家へ帰った時、うちの次男が冬休みの宿題の読書をするため、私の本をカバンに入れていたんですね。 遅れて実家に到着すると…

私の本を持って大騒ぎしている両親が。

母はまず「だってあなたは絵のほうでしょ!」と言いました。 父は「すごいなぁ」を連呼し、自分のぶんを手元に置きたいと言いました。(後日送りました)

弟には前にチラッと言ったことがあるのですが、反応が薄かったので私自身忘れていました。 ところが、本としてその場にあるのを見た弟は「あれ、こういう本になってるの?」(電子書籍じゃないの?)と。

思わぬ大きな反響に私のほうがびっくり。

「amazonでしか買えない」については何故かスルーでした。これ、書く側は気にする部分だと思うのですが・・・(まさかamazonが何かわからなかったのか!?うちの両親なら有り得る)

私はあまりリアルの知り合いに自分の活動を言わないので、今回の反応は目から鱗といいますか、 すごく新鮮で色々と考えさせられました。

今は電子書籍が主流だと言っても、「現物としてそこにある」紙の本は、 普段本を読まない人たちにとってはまだまだ重要な存在なのだなぁと思ったのです。

それから「本を読まない人たち」についても思いました。

紙だデータだ以前に「本」という存在を重要だと思わない人がたくさんいて、 本は読むけど「小説」は読まないという人もたくさんいるんだよなぁと、 当たり前のことを今更考えているのです。

以前、作家の林真理子さんが「ママ関係のなかで私はパシリにされている。そんなものなのだ」とおっしゃっていたのを思い出しました。 ※ニュアンス違っていたらすみません。

思えば「絵」だってそうだったのに、私はなんだか忘れがち。

最近の私は充電期間といいますか「文章を書く」ことをお休みしています。 集中するために気持ちを整えたいのに、何を書きたいのか、そもそも書きたいのかもわからなくて集中できなかったのです。

今回の「リアルの反応」は、そこを抜け出すヒントになった気がしています。

余談ですが、最近になって次男と三男が私の本の話題を出すようになりました。 たぶん、私が外で言わないものだから「ママの本は内緒の本」だと思っていたみたいです。 私がおじいちゃんおばあちゃんと話しているのを見て大丈夫と思ったのでしょう。 近々感想文を書いてくれるようで楽しみです。

総じて私は打ち明けて(バレて)よかったなと思っています。

身近な人への告白。
皆さんはされましたか?

2023/1/5 南口綾瀬

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